マックスのフィリピン不動産投資

フィリピン在住一年。マニラ、セブ、クラーク、スービックでの不動産売買、賃貸管理日記

マニラのコンドミニアム市場が下降気味に?

マニラに拠点を置く新聞社、インクワイヤラ誌に気になる記事がありました。

Condo market slowing down | Inquirer Business

記事内のコメントは、不動産コンサルティング会社の Colliers International より。

以下抄訳。

  • メトロマニラの高層コンドミニアムの市場がスローダウンの兆しを見せている。
  • 特に下降線を辿ってるのが、低価格帯のユニット。過剰供給が原因。
  • 一方で、ハイエンド(高価格帯)のユニットに関しては、需要と供給のバランスは安定している。
  • 2014年の1月-3月期のの高層コンドミニアムのセールスは、前年比12%減。
  • しかし、全体的な視点で見ると、フィリピンの不動産市場は、ゆったりした長期的成長が見込める「次の10年」に突入したと言える。
  • 商業不動産は、ここ3、4年停滞してたものの、オフィス需要に対して供給が追いついてない状況。
  • 住宅不動産に関しては、ディベロッパーが新規プロジェクト数を抑えることで、供給調整があるのではないか。
  • 2013年11月から2014年2月までの間で、販売許可 (licenses to sell) の数(要は新規物件数)が、前年比39.7%増えた一方で、同時期の住宅不動産の契約数は、59,200戸で、前年比 7,200戸減(10.8%減)であった。
  • 顕著に販売数が増えたのは、ソーシャライズド・ハウジング*1(17.4%増)や低コスト物件(23.2%増)であり、要因として、これらの物件には、VAT(日本で言う消費税)の免税政策を取られているからとみられる。
  • 一方で、高層階コンドの販売数については、前年比38.6%も落ち込んでいる。その原因は、低価格帯のコンド(一戸あたり 123万ペソ以下の物件)の供給の急増とみられている。
  • メトロ・マニラの高層コンド物件は、まだ一般の人々の予算とかけ離れているため、ディベロッパーは郊外の集合住宅案件に注力する必要がありそうだ。
  • 一個あたりの価格が 500万〜700万ペソ、または 700万ペソ以上の高級コンド物件の市場については、引き続き堅調である。

外国人や超富裕層向けの500万ペソ(1,150万円)以上の物件の販売が好調の一方で、同じ高層コンドミニアムでも、ローカル向けの123万ペソ(270万円)以下の物件に関しては、供給過多の傾向にあるようです。マカティやフォート・ボニファシオ、オルティガスなど以外のメトロ・マニラの地区のコンドだと、新築でもこの辺の価格もあるのですが、普通のフィリピンのローカルの人たちにとっては、その価格で高層コンドミニアムを買うなら、賃貸か、郊外の土地付き一軒家を同じ値段で買うか、っていう選択肢になるのかと。逆にこの辺の層の人々が、コンドミニアムをこぞって買うようになるとちょっと加熱気味って気がするので、マニラのコンド・マーケットはまだ健全にゆっくりと成長している(成長の伸びしろがまだまだある)というふうに考えていいと思います。

まあ、それにしても、270万円以下で買える高層コンドミニアムが首都にあるっていうのが、日本人にとっては驚きかもしれませんねw

*1:家と家がくっついているこんな感じの家です。